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研究室

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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

オートチェッカーの原理

オートチェッカーは製造ラインでの商品の全数検査の自動化の要求
から開発され、質量の検査、質量による選別を行う目的で使用されます。

製造ラインからの抜き取り検査による統計的手法によらず、全数検査
により品質管理を保証するという要求から開発されたはかりです。

製造ラインのコンベヤから一定間隔で送られてくる製品を質量によって
区分けし、後続のコンベヤへ送り出す装置です。


まずは、オートチェッカーの目的による分類を示します。




つぎに、オートチェッカーの測定原理と構造を説明します。

測定原理と構造




オートチェッカーの主な構成要素は搬送装置、計量装置(制御、指示含む)、
選別(分類)装置
より構成されます。

以下に各構成要素の説明をします。

  搬送装置:被計量物の計量装置(部)への搬入・搬出を行う。

  計量装置:被計量物の質量を正しく計量し、指示(表示)し、計量値と
          設定値を比較・判別して選別信号を選別装置に送る。

  選別装置:選別信号を受けて被計量物を区分けする仕組み。


つまり、『搬送装置』によって運ばれた被計量物(商品)の質量を『計量装置』
計量するとともに表示し、あらかじめ登録しておいた設定値と比較して選別信号を
『選別装置』に送信する。

『選別装置』は送られてきた選別信号により被計量物を区分けすることになります。


つぎに、オートチェッカーの性能について説明します。


オートチェッカーの性能

オートチェッカーの性能については、主に『選別能力』、『計量範囲』、『選別精度』が
重要となります。

各項目について説明します。

  選別能力:選別精度を満たしながら被計量物を選別できる時間当たりの最大個数
     
  計量範囲:規定の選別精度を満足しながら選別できる被計量物の質量の範囲

  選別精度:計量された計量範囲内の任意の荷重の測定値のばらつき
          標準偏差の3倍(±3σ)
         (一般的に選別精度は製品重量のばらつきの1/10あれば十分です。)


機種選定時の注意事項

1.被計量物の形態

 被計量物が弾性の無い固体であれば理想的ですが、ゴムのように弾性が
 あったり容器に入れた液体のような場合に注意が必要です。
 搬送コンベヤから計量部のコンベヤに載りこんだ被計量物の質量の
 指示値が落ち着いて正確な質量を計測できるまでにより多くの時間が
 必要となるからです。(選別能力の低下)


2.被計量物の搬送方向の長さ

 被計量物の搬送方向の長さが長い場合、被計量物全体が完全に計量部
 コンベヤ上に載っている時間が短くなるので正確な質量を計測する為の時間を
 確保する為にコンベヤの速度を遅くする必要があります。
 したがって、選別能力が落ちる要因になります。

3.被計量物の搬送間隔

 計量が完了する前に次の計量物が計量部コンベヤに載りこんでくると計量が
 できません。
 したがって、計量部コンベヤに一定間隔で被計量物が供給されるように定間隔
 送り装置を設ける必要がある場合が有ります。


オートチェッカーの選定にあたっては、カタログ上の選別能力が全ての
被計量物について保証されているわけではないことに注意し、余裕をもった
スペックの機種を選定する必要があります。


特に、被計量物の大きさにも注意が必要です。





上の図のように、計量部の長さ=Lm、被計量物の搬送長さ=m、ベルト速度Vm/sのとき、
計量するための時間は、被計量物が完全に計量部に載っている距離がL-なので

 計量時間 L’ =  (L-)/V  (sec) 、 L>


となり、被計量物()が小さいほど選別能力が高くなることがわかります。




※現在、クボタではオートチェッカーの製作は行っておりません。