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研究室

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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

はかりと重量加速度について

はかりを正しく使うには、「誤差」を発生させる要因を知っておくことが大切です。

まず、「はかり」とは何であるかをご理解いただくために、OIML(International Organization of Legal Metrology 国際法定計量機関)の国際勧告にある記述を参照してください。


「任意の物体の質量を、その物体に作用する重力を利用して測定するために使用される計量器」


つまり、質量と重量は違うものなのです。質量という、その物体を構成している物質の量に”重力加速度”を乗じた重量をはかりで測定することで、質量を知るのです。
よく言われる例として、月面での体重測定があります。月の重力は地球の6分の1しかないので、体重60kgの人が月面で体重測定すると、10kgにしかならない、というのは、はかりを月面用に調整していないからなのです。

球体である地球は回転しています。北極や南極付近と赤道付近では、地軸からの距離が異なるため、重力加速度も異なります。もちろん、月ほどの大きな差ではありませんが、例えば、日本の場合、緯度1°に対して、約1/10000の変化があります。

従って、調整された地区(緯度)から移動して別の地区で使用する場合、わずかに誤差が生じるのです。また、高度による重力加速度の変化は、1000mあたり約1/3000程度あります。これもわずかな差ではありますが、はかりに影響を及ぼす要因になります。

ちなみに、はかりメーカーでは、使用される地区(県別など)に基づき、あらかじめ調整してからお客様にお届けするものがあります。

はかりには、その機構を理解して、正しく使用したり、メンテナンスをすることが大切です。この研究室では、それらをできるだけ解りやすくご説明していきますので、ぜひ、皆さんのはかりを大切に、そして正確に使っていただきたいと思います。