従来から、わが国の防爆規格にはつぎの2通りが存在しています。ひとつは、
「電気機械器具防爆構造規格」(以下「構造規格」という)です。昭和44年の
労働省告示ですので、長年にわたり産業界に浸透している規格です。「構造
規格」ではd2G4などの記号が使用されます。
もう一方は、国際電気標準会議(IEC)で制定された国際基準との整合をはかる
ために昭和63年に労働省より通達された「技術的基準」です。「技術的基準」
ではExiaⅡBT4などの記号が使用されます。
後発の「技術的基準」は、その後改正IEC規格の変更に対応して改正を重ね
ましたが、先発の「構造規格」には改正が反映されていませんでした。 そこで、
わが国の「構造規格」とIEC規格との整合が求められていた訳です。
上の表の相違点の整合を図るために「構造規格」が改正され、平成20年10月1日から
施行されました。主な改正点は以下の2項目です。
(1)新たな防爆構造の規定
「樹脂充填防爆構造(m)」及び「簡易防爆構造(n)」を、構造規格上の
防爆構造として新たに規定されました。
(2)危険箇所の設定、及び危険箇所ごとに使用可能な構造の設定
(爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所について、IEC規格と同じく
以下のア~ウの3つに区分されました。
さらに、IEC規格に合わせ、危険箇所に応じた使用可能な構造が以下の通り
定められました。なお、「本質安全防爆構造」については、異常状態における
点火のおそれに応じて、新たにia、ibの2つに区分し、同様に「樹脂充填防爆
構造」はma、mbに区分されました。
以上の防爆構造規格の改正により、わが国の規格とIEC規格との整合が実現したこと
を今回はご紹介いたしました。