今月は新旧技術基準の異同について取り上げます。
なお、「新」検則、「旧」検則の技術基準の定義については、先月号の研究室で
ご説明した通りです。
http://kubota-hakari.net/p.php/6/2/125/
最初に「表記」の異同について見ていきましょう。特定計量器に貼付する定格銘板
の表記は以下の通り変更されます。
〔1〕銘板表記
使用場所については、ご発注時に特定計量器を使用する場所(都道府県、支庁、離島)
を特定してご用命いただければ、当社で重力加速度に換算して製造いたしますので、
従来から変わる点はございません。
〔2〕性能
クリープ特性(同一質量による繰り返し)については、30分を経過したときの質量変化
に加えて、15分経過後と30分経過後の質量変化についても規定されました。
また、使用温度範囲もプラス側マイナス側にそれぞれ5℃拡張されています。
〔3〕検査内容
器差検査の合格基準は新旧技術基準で差異はありません。繰り返し試験と偏置誤差の
試験では使用する分銅の量が加重されました。
〔4〕零(ゼロ)設定機能
初期零設定機構とは電源投入時に自動的に表示をゼロに設定するための機構のことで、
当社ではパワーONゼロと呼称します。また、半自動零設定機構とは、手動操作により
自動的に表示をゼロに設定するための機構のことで、同じくワンタッチゼロと呼びます。
新技術基準では、零設定が機能する範囲が、それぞれひょう量の20%以内、4%以内
と規定されました。
〔5〕印字機能、マイナスの質量値の取り扱い
プリセット風袋量は、「kg PT」のように法定計量単位に記号を付して印字しなければ
ならなくなりました。また、マイナスの質量値の表示や印字についても規制が加わり
ました。
以上、今月は新旧技術基準の変更点についてご説明いたしました。来月は大型はかりの
対応について取り上げますので、是非ご覧ください。