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研究室

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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

復興した気仙沼漁港で活躍するマグロ計量器

3月6日早朝4時、気仙沼魚市場を訪問しました。
この日は、漁船が3隻入港し、カジキ、マグロ、サメなどを水揚げして
いました。市場内の黒板には、船別の入港予定が書き込まれています。


岸壁に横付けされた漁船からは、魚が次々にベルトコンベアで運び出され、
魚種別に仕分けされます。仕分けされた魚はフォークリフトのバケットに
収められ市場内へ運ばれます。港では漁船とフォークリフトのエンジン音
が響き渡ります。


市場に並べられたカジキの質量を計測していきます。マグロ計量器の
ひょう量(計測できる最大の量)は300kg、目量(最小目盛り)は0.2kgです。
移動しながら計量するので、ハンドルと車輪がついています。電源は
鉛蓄電池です。はかりはオールステンレス製の防水仕様となっています。


カジキは1匹ずつ計量します。


手際よくはかりに載せると、すばやく質量値を読み上げていきます。


100kg以上あるカジキを持ち上げるのは重労働ですが、職員さん2名で
鈎付きの棒を操り、タイミングよくはかりに載せていきます。


読み上げられた質量値は、チョークのようなもので直接カジキに書き
込まれていきます。下のカジキは161.8kgでした。


サメはまとめて計量されます。


別な場所ではマグロも計量されていて、職員さんの大きな声が市場内に
飛び交い、非常に活気のある空間でした。この日は全部で4台のマグロ
計量器が使用されていました。


さて、現在では復興が進む気仙沼魚市場ですが、震災当初は冷蔵、冷凍、
加工設備のほとんどを失い、もちろんマグロ計量器も津波をかぶり、使用
不能となりました。震災当時のままのマグロ計量器の残骸が市場の倉庫
に残されています。




現在、市場で使用されているマグロ計量器は、被害を受けた現品を修理
して使用できるようにしたものです。最初に修理のご依頼を受けたのは
震災の約1ヶ月後。1日でも早く、気仙沼魚市場から復興の狼煙(のろし)
があがることを願い、クボタの工場スタッフが最優先で修理に取り組み、
気仙沼にお返しした経緯があります。

市場が活気を取り戻している様子をこの眼で見ることができ、たいへん
嬉しく思います。