LPガスは、プロパンとブタンを主成分とする炭素と水素の化合物です。
常温下では気体ですが、圧力を加えたり冷却することで液体になります。
液体化した場合、その体積は気体の時の約1/250まで小さくなります。
この特性を生かし、搬送を簡便にしたことで、工場設備の動力源や
店舗や家庭の暖房・厨房設備に利用されます。
地球環境保護が声高に叫ばれる今、LPガスが
「クリーンエネルギー」
の1つと呼ばれ、注目を浴びている理由は次の通りです。
(日本LPガス協会HPより抜粋引用)
①燃焼による排ガス中のCO2量は、石油や石炭に比べて非常に少ない
②硫黄分の含有量がほとんどなく、窒素も含まれていない
③ススや灰分を出さない
④オゾン層破壊の心配がない
さて、このLPガスは寒波に覆われる日本の年末年始に需要の山場を迎え、
充填所はフル稼働になります。
今回ご紹介いたします岩谷液化ガスターミナル株式会社様は、
大阪府堺市の臨海工業地帯に位置し、国内の輸入ターミナルとして
100ヶ所以上の配送拠点にLPガスを供給する重要インフラ基地です。
ここで10数年、クボタ全自動LPガス充填装置(ACAD)が活躍しています。
簡単な構造をご説明しますと、回転テーブルに10台の充填機があり、
自動で搬入・搬出されるガスボンベにLPガスを充填します。
ACADが自動でオペレートする基本的な流れは次の通りです。
1)容器ラベルスキャン、搬入
↓
2)充填ユニットの装着
↓
3)充填開始
↓
4)定量充填/過不足判定
↓
5)容器バルブ閉栓
↓
6)充填ユニット離脱、排出
ここに更にキャッパー(下図)やガス漏れ検査装置などが付加し、
合理化と安全を備えた全自動ラインとなります。
次々と送り込まれるガスボンベの量は圧巻。
まるで行列のように流れてくるボンベを絶え間なく充填し、
出荷していくことが暖かい日本を支える「社会の底力」を目指します。
取材終了後、ふと充填基地から望む水面に目を向けると、
音を奏でるようにまばゆい光を放つ大阪湾にしばし心を奪われ
寒さを忘れました。
大阪も捨てたもんじゃないな・・・としみじみ感じる記者3号でした。